曹長青評論邦訳集  張学良論

原題:「張学良糊〔さんずいに余〕死了――仮英雄・仮将軍・仮基督徒」

『多維網』 2001年10月24日
前言

 中国近代史は国民党と共産党を抜きにしては語れない。そして両党の関係は西安事変を抜きにしては語れない。
 西安事件はこの両党の関係史における重大事件である。だが西安事件の主役である張学良は今年10月14日に101歳に渉るその生涯を閉じた。張は事変の内幕を語ることなく、秘密を墓の中へ携えていったのである。
 西安事変は1936年の事件である。それからこんにちまでに65年が過ぎたが、この間中国で出されたこの事件を論じる文献は23種を数える(大陸のみの数字。1991年末まで)。これ以外に、張自身が各方面の取材に対して応じたインタビューがいくつか存在する。
 中国と台湾とでは張学良に対する評価は、両極端に分かれている。中国では彼は“民族の英雄”と讃えられるが、台湾では“歴史の罪人”である。党禁〔訳者注。政党結成の禁止〕と報禁〔訳者注。新聞などの増設禁止〕の解除後、台湾の張学良評価は多元化してきているが)。
 張学良が世を去ったいま、棺を蓋いて事定まる時が来たといえる。しかしその判断は如何なる基準に拠るべきか。この設問に答えとして、以下に挙げる七つの疑問点を明らかにすべしというのが私の提案である。

原文執筆 2001/10/24
(邦訳 2001/11/9)
  1. なぜ張学良は日本の東北三省侵略に抵抗しなかったのか
  2.  (『多維網』 2001/10/25)
    (邦訳 2001/11/27)
  3. なぜ蒋介石は抗日に同意しなかったのか
  4.  (『多維網』 2001/10/26)
    (邦訳 2001/11/28)
  5. なぜ張学良は兵諫の挙に出たのか
  6.  (『多維網』 2001/10/27)
    (邦訳 2001/12/9)
  7. 西安事件はいかなる結果を生みだしたか
  8.  (『多維網』 2001/10/28)
    (邦訳 2001/12/22)
  9. 西安事件で責任を負うべき者は誰か
  10.  (『多維網』 2001/10/29)
    (邦訳 2001/12/25)
  11. 事変後、なぜ張学良はほぼ一生の間、軟禁状態に置かれ続けたのか
  12.  (『多維網』 2001/10/30)
    (邦訳 2002/1/9)
  13. 張学良自身は西安事件をいかに評価していたか
  14.  (『多維網』 2001/11/1)
    (邦訳 2002/1/13)
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