東瀛小評  


現代中国の“覇権主義”と年齢別人口比率の関係

                                2006年4月16日執筆

  2000年時点の日本と中国両国の年齢別の人口分布図(いわゆる人口ピラミッドと呼ばれるもの)を見ていて気がついた。  
  日本は0歳から20代前半までが少なく、70歳代後半以上が少なく、中間の年代層(とくに50代以後)の人口比が大きい。典型的な先進国型のパターンである。65歳以上の総人口に占める割合は17.3パーセントである。  
 中国は、若年齢層がもっとも多く、年齢が進むについて次第に少なくなるというほぼ完全な逆ピラミッド型を形成している。65歳以上の総人口に占める割合は7.1パーセントである。  
 若年層になるほど人口が多いということは、その社会にとって、発展へのインセンティブになると同時に、プレッシャーにもなるそうだ。戦前の日本の人口構成も逆ピラミッド型だった。戦前の日本の過激な対外拡張主義や過激な侵略行動、いわゆる軍国主義の背景には、この人口構成とそこからくるプレッシャーもあったという指摘をある研究で読んだことがある。  
  現在の中国も、おなじプレッシャーのもとに置かれているのではないか。それも、両国の人口比でいえば、過去の日本が感じていたものとは比べものにならないほど激しいプレッシャーのはずである。
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